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資料館に置く人形
昨日の教室で先生方がお話ししていたことについて、わたしなりの考えも含めてお話ししてみようと思います。
創作人形はさまざまな題材で作ることができます。
空想の世界を表現したり、抽象的な作品を作る方もいらっしゃいますが、現実のものを題材として作品を作る方はとても多いです。
今回はその、現実のものを作品にする場合のお話です。
現実のものを題材にする場合、入念にそのモチーフについて調べることになります。
奈良時代を題材にした人形作品なのに、江戸時代の着物を着ていたらおかしいですよね。
作品に説得力を持たせるために、作品を作り始める前によく調べることは大切だと聞きました。
しかし、創作人形として昇華するにはただ単に説得力があるだけではダメで、作者の伝えたい想い、人形が放つメッセージが大事になってくるそうです。
いくら現実と見比べた時に相違ない出来だからといって、想いが伝わってこない作品は、創作人形としては認められない。
資料館に置くべき人形という評価をされるというのです。
人形作品には小道具を持たせることがよくありますが、小道具がただのミニチュアになってはいけないのだそうです。
説得力を持たせるために実物に忠実である必要はなくて、作品のメッセージを効果的に伝えるための小道具の使い方をしなければならないのだと思います。
それってめちゃくちゃ難しくないですか……?
この話を聞いた時、難しいけど面白い話だと思いました。
芹川先生に最後にお会いした時に、「人形はポエムなのよ。」というお話をしてくださいました。
空想の世界や抽象的な作品は作者のメッセージが伝わりやすいです。
現実のものを題材にした作品こそ、自分が伝えたいメッセージ、ポエムを考えることに一番時間を使うべきなのかもしれないと思いました。
しかし、メッセージを伝えるために絶対的に必要なのが技術や知識です。
技術が乏しい作品や詰めが甘い作品からはメッセージは伝わらないはずなので、まずは基礎を固めることを一番に人形づくりをしていこうと改めて思いました。